クリニカルパスの導入

国保軽井沢病院 新見ゆかり

 

 当院は、療養型病床24床を含む103床の混合病棟である。業務の煩雑化している中で、ケアの均質化、インフォームドコンセントの充実、在院日数の短縮化、チーム医療等を推進していくためCPの導入を決定した。CP導入に際し、H12年に計7回、山崎絆先生を講師としてお招きし、東信地区の6病院が集まりCP研修会を開催した。

 研修の中で、実際にCPを作成、活用し、山崎先生に評価していただいた。全研修会終了後、各病院の編集委員が集まり、研修会で作成したCPを「できたよ6病院CP」の題名で冊子にまとめた。そして秋田県の山崎絆先生が指導された病院のCPもあわせ冊子となり、メディカ出版から発刊されている。研修会をきっかけに院内でもCP委員会ができスタッフもCPに関心を持つようになった。現在当院で作成してあるCPは20種類あまりで、実際に使用しているCPは、眼科、整形外科、産婦人科、手術室の8種類くらいである。疾患によってはバリアンスが生じやすいものもあり、見直しをしている。患者様・家族の方からも入院中の経過がわかりやすくなったという意見が聞かれ、インフォームドコンセントの充実も図れている。また、CPは処置の内容が明確になっているので新人指導にも役立ち、業務の効率化も図れている。

 東信地区CP研修会が終わり2年ほど経過し、H1410月に山崎絆先生を招き、各病院が集まり、CPの近況報告会を行った。H15年1月には山崎絆先生、阿部俊子先生を講師に迎え、東信地区の各病院で「褥創CP」を作成し、発表会を行う予定である。

 当院では、今年7月に新病院に引越しをしたのと同時に電子カルテ・看護支援システムの導入があった。電子カルテの中にCPが導入されなかったこともあり、最近では新しく作成したCPを検討することができず、CP委員会も停滞気味であった。しかし、来春電子カルテの中にCPを導入する予定であり、医局でも医局長が中心になり、CP委員会を発足した。看護部でも新病院に引っ越して5ヶ月が経過し、業務の見直しの時期にきている。

 業務をスリム化し、看護の質をレベルアップするためにもCPのとりくみは必須である。看護師が研修会をしたH12年ごろ、医師はあまり協力的ではなかった。2年経った今、医師が中心となり病院全体でCPに取り組むという姿勢に変わってきている。コメディカルスタッフが参加し、エビデンスに基づいたCP作成が今後の課題と思われる。