クリニカルパスを導入して
昭和伊南総合病院 片桐志津子
当院では平成11年に院長方針としてパスの導入が打ち出された。これにより7月までに武藤先生・阿部先生らによる研修会を3回にわたって企画し、院内全体で勉強会を開催しパスに対しての理解を深めた。
導入の目的として1)チーム医療の促進と情報提供の共有化 2)効率的で質の高い医療の提供 3)職員の意識改革 以上の3点が打ち出された。各職種からクリニカルパス委員が選出され、委員会中心にクリニカルパス作成基本要項・バリアンスの記載方法等について検討し統一を図った。全科全部門一斉に導入に向け取り組んだ。
1年後には13種類のパスが出来上がり活用した。平成12年3月には院内全体で第一回パス発表会を開催し、パスの実際と問題点・今後の課題等を中心に発表した。
その後現在まで3年が経過したが、パス委員会の活動も停滞しており、新規作成は各単位のパス委員に委ねられている現状である。11月現在の実際に活用しているパスは下記の9科30種類である。
眼 科:白内障 手術 室:白内障OP
産婦人科:産褥・帝王切開・LAVH・ATH(複式子宮単純全摘出術)
子宮内清掃術
泌尿器科:腎尿管結石(ESWL)月曜OP・ 腎尿管結石(TUR)木曜OP
前立腺肥大症(高温度療法)・前立腺生検 月曜OP
前立腺肥大症(BPH)TUR-Pルンバール月曜OP
前立腺肥大症(BPH)TUR-bt
歯 科:歯科集中治療
外 科:胆石(ラパコレ)・鼠径ヘルニア (腰椎麻酔)
鼠径ヘルニア(ラパヘルニア)・
乳癌
小児鼠径ヘルニア
整形外科:関節鏡・手根管症候群・ばね指
内 科:大腸ポリペクトミー・胃粘膜切除術・心臓カテーテル
脳 外 科:脳血管撮影・慢性硬膜下血腫
脳梗塞 −A― −B−
当初作成した症例の中には、現在再度見直しが必要となり現在使用していないもの、あるいは再検討中のものなどが見られる。診療報酬でも入院治療計画書の提示が求められるようになった。そこで委員会を定期的に開催し、クリニカルパスの現況を分析し問題点を探る等の活動を再開したところである。
今後は委員会がサポートしながら、医師・看護師・コメディカルとの連携を蜜に、チーム医療の促進と情報の共有化、効率的で質の高い医療の提供を職員一同積極的に取り組んで行きたいと考える。
今回は当院におけるパス導入から現在までの経過と現状について報告いたします。